「昨日はあんなにおいしかったのに、今日はなんだか違う」
ハンドドリップを始めてしばらく経つと、ほとんどの方がこの壁にぶつかります。同じ豆を使って、同じように淹れているつもりなのに、カップの中の味がどうも安定しない。
ちょっとがっかりするし、自分の淹れ方がおかしいのかなと不安になりますよね。
でも、安心してください。味がブレるのは、実はごく自然なことなんです。
お店でも「毎回味が変わってしまう」というご相談は本当に多くて、むしろ「味の違いに気づけている」こと自体が、あなたの舌がちゃんと育ってきている証でもあります。
そのうえで、味がブレる原因を知って、ひとつずつ「変数」を固定していけば、安定した一杯はきっと近づいてきます。この読みものでは、味が毎回変わってしまう原因と、その整え方を一緒に見ていきましょう。
味が変わる「5つの変数」を知っておこう

コーヒーの味を左右しているのは、突き詰めると5つの変数です。
豆の量、挽き目、お湯の温度、お湯の量、そして抽出の時間。
この5つのうち、どれかひとつでも前回と違えば、カップの中の味は変わります。逆に言うと、この5つをできるだけ揃えていけば、味は自然と安定していくんです。
「たった5つ」と感じるかもしれませんが、最初からすべてを完璧にする必要はありません。ひとつずつ、自分のペースで固定していければ大丈夫です。
まず揃えたいのは「量」のこと

味のブレを生む一番大きな原因は、意外にも「量」のばらつきです。
豆の量が1g変わるだけで、味の濃さはかなり変わります。お湯の量も同じで、10ml多いだけで薄く感じることがある。
「だいたいこのくらい」で量っている方は、ぜひ一度、キッチンスケールを使ってみてください。
FUKUSUKE COFFEEでおすすめしている基本のレシピは、粉10gに対してお湯150g。粉に対して15倍のお湯を使う計算です。この比率を毎回スケールで量るだけで、味のブレはぐっと小さくなります。
目分量とスケール使用では、おどろくほど味の安定感が違うので、まだ持っていない方は1,000円台のもので十分ですから、ぜひ試してみてくださいね。
挽き目のばらつき、気にしていますか

手挽きミルを使っている方に特に多いのが、挽き目が毎回少しずつ変わってしまうケースです。
粉が細かくなるとお湯との接触面積が増えて、成分がたくさん出るので濃く、苦くなりやすい。逆に粗すぎると、薄く、水っぽく感じやすくなります。
手挽きミルはどうしても回すスピードや力加減で粒度にばらつきが出やすいもの。もし挽き目のブレが気になるなら、ミルの目盛りを決めたら、なるべく一定のリズムで回すことを意識してみてください。
ちなみにFUKUSUKE COFFEEの基本レシピでは「中挽き」を推奨しています。ざらめ糖とグラニュー糖の中間くらいの粒度感が目安です。
お湯の温度、毎回違っていませんか

これもかなり味に影響する変数です。
お湯の温度が高いと苦みや渋みが出やすくなり、低いと酸味が際立ちやすくなります。沸騰直後のお湯をそのまま注いでいる方は、ちょっとだけ待ってみてください。ポットに移し替えるだけでも、温度は数度下がります。
FUKUSUKE COFFEEの簡単レシピでは、85℃をおすすめしています。
温度計がなくても、沸騰後にケトルのフタを開けて1〜2分ほど待てば、だいたい85℃前後まで下がります。厳密でなくてもいいので、「毎回同じくらいの待ち時間」をつくるだけで、温度のバラつきはかなり抑えられます。
注ぎ方と時間、ここが一番むずかしい

豆の量、挽き目、温度は数字で管理しやすいけれど、お湯の注ぎ方と抽出時間は感覚に頼る部分が大きく、ブレやすいポイントでもあります。
よくあるのが、日によって注ぐスピードが変わってしまうこと。ゆっくり注ぐと濃くなりやすく、速く注ぐとあっさりした味わいになります。
ここでひとつ、お店で実践しているコツをお伝えすると、タイマーを使うのがとても効果的です。
たとえばFUKUSUKE COFFEEの基本レシピなら、0秒で20gのお湯を粉全体にかけて蒸らす。20秒後から、合計150gまでゆっくり注ぐ。
この「何秒で、何gまで注ぐか」を決めておくと、注ぎ方のブレがかなり小さくなります。
スマートフォンのタイマーで十分なので、ぜひ時間を意識してみてください。
「豆の変化」という見えない変数

ここまでは「淹れ方」の変数でしたが、もうひとつ知っておいてほしいことがあります。それは、コーヒー豆そのものが日々変化しているということ。
焙煎されたコーヒー豆は、少しずつ香りや風味が変わっていきます。焙煎から1週間〜2ヶ月程度が一番バランスのよい時期で、そこから徐々に香りが穏やかになり、酸味が丸くなったり、甘みが出てきたりもします。
つまり、同じ袋の豆でも開封して3日目と10日目では味わいが違うのは自然なこと。これは「劣化」というよりも「変化」に近い感覚で、豆の移り変わりを楽しむのもコーヒーのおもしろさのひとつです。
ただ、できるだけ味を安定させたいなら、密閉容器に入れて直射日光を避けて保管すること。FUKUSUKE COFFEEの豆袋ならそのまま使っていただいて十分な機能性がありますよ。
そして長くても4ヶ月くらいを目安に飲みきるのがおすすめです。
すべてを同時に変えないこと
味が安定しないとき、いろいろなことを一度に変えたくなる気持ち、よくわかります。
でも、複数の変数を同時に動かすと、何が原因で味が変わったのかがわからなくなってしまいます。
変えるのは、一度にひとつだけ。
たとえば今週は豆の量をスケールで正確に量ることだけに集中する。来週はお湯の温度を意識してみる。
そうやってひとつずつ固定していくと、「あ、今日薄いのは挽き目が粗かったからかも」と、原因がだんだん見えてくるようになります。
この「原因を探れるようになる感覚」こそが、コーヒーの味を安定させる一番の近道です。
完璧じゃなくて、大丈夫

プロのバリスタでも、毎回まったく同じ味に淹れるのは簡単ではありません。気温や湿度、体調やその日の気分によっても、感じ方は微妙に変わるもの。
だから「完璧に同じ味」を目指すよりも、「だいたい安定した、自分の好きな味のゾーン」にたどり着くことを目標にしてみてください。
ブレが少しずつ小さくなっていくのを感じられたら、それはもう十分、上達している証拠です。
おうちの一杯を、もっと穏やかに

味が毎回違ってしまうのは、あなたの腕が悪いわけではありません。コーヒーには味を左右する変数がたくさんあって、それを知らないまま淹れていたら、誰だってブレてしまいます。
でも今日、この読みものを読んでくださったことで、何が味を変えているのか、少しずつ見えてきたのではないでしょうか。
量を量る。
温度を意識する。
時間を測る。
ひとつずつでいいので、自分のペースで試してみてくださいね。
毎朝のコーヒーが少しずつ「いつもの味」になっていく。その変化を楽しんでもらえたら、私たちもとてもうれしいです。
コーヒーのことで気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
あなたのことも、教えてください
FUKUSUKE COFFEEの読み物は、私たちが一方的に「伝える」ためのものではなく、みなさんと一緒につくっていきたいと考えています。
・このコーヒー、どう選べばいい?
・プレゼントで失敗しないコツを知りたい
・浅煎りって、正直よくわからない
・こんな話、読んでみたい
・最近こんなことで悩んでいます
などなど、どんな小さなことでも大丈夫です。
ふと感じた疑問や、知りたいこと、悩んでいることを、そっと教えてください。
いただいたお声は、次の読みものや商品づくりのヒントとして、ひとつひとつ、大切に活かしていきます。

FUKUSUKE COFFEE ROASTERY 愛知県安城市から”福を届ける”コーヒーロースタリー

