コーヒーが好きなあの人と話していて、ふと会話についていけなくなる瞬間ってありませんか。
「この豆、ナチュラルなんだよね」「エチオピアの浅煎り、やっぱりいいな」。そんなふうにうれしそうに話す横で、「うん…」としか返せない自分に、ちょっともどかしさを感じたり。
でも安心してください。コーヒーに詳しくなる必要は、実はそんなにありません。相手が何を話しているのかなんとなくわかる。「それってどういうこと?」と聞き返せる。それだけで、コーヒーの会話はぐんと楽しくなります。
この読みものでは、コーヒー好きとの会話で出てきやすい話題をほんの少しだけ整理してみました。覚えなくて大丈夫です。なんとなく頭に入れておくだけで十分。
「浅煎り」「深煎り」って何のこと?

コーヒーの会話でいちばんよく出てくるのが、「焙煎度」の話かもしれません。焙煎というのは、コーヒーの生豆を火で煎ること。軽い焼き具合が「浅煎り」、黒くなるまで焼いたものが「深煎り」になります。
ざっくり分けると、浅煎り(Light)はフルーツのような酸味や華やかさが出やすい。中煎り(Medium)は甘みとコクのバランスがよく、飲みやすい。深煎り(Dark)はビターチョコレートのような苦みと深い香ばしさ。というような感じです。
「浅煎りが好き」という人は、コーヒーの中に果物っぽい味わいを楽しんでいることが多くて、「深煎りが好き」という人は、ガツンとした苦みや重厚感に惹かれていることが多い。相手が「浅煎り派」か「深煎り派」かを知っているだけで、「じゃあこのお店、好きそうだね」なんて会話が自然に広がります。
ちなみに私たちFUKUSUKE COFFEEでは、浅煎りから深煎りまで幅広く焙煎しています。「甘さの発達」をひとつの軸にしていて、浅煎りならキャンディのような甘さ、深煎りならキャラメルのような甘さ。焙煎度によって甘さの表情が変わるんです。
「エチオピア」「ブラジル」は国の名前

コーヒーの話をしていると、やたらと国の名前が飛び交うことがあります。エチオピア、ブラジル、コロンビア、ケニア…。これはコーヒー豆の産地のこと。ワインでいう「フランス産」「チリ産」のような感覚に近くて、産地によって味の傾向がけっこう違います。
たとえばエチオピアは、花のような香りやベリーの酸味が特徴的で華やかな印象。ブラジルは、ナッツやチョコレートのような落ち着いた味わいで、毎日飲んでも飽きにくいタイプ。ケニアは、カシスやグレープフルーツのようなジューシーさがあって、しっかりした果実味が楽しめる。というように、生産地によって大まかな味わいの傾向が掴めたりします。
全部覚える必要はありません。「エチオピアって、たしか華やかな感じだっけ?」くらいで十分です。相手が「最近エチオピアにハマってて」と言ったら、「あ、フルーツっぽい味のやつだよね」と返すだけで、もう立派なコーヒートークの仲間入りです。
「ナチュラル」「ウォッシュド」って聞こえてきたら
少しマニアックに聞こえるかもしれませんが、「ナチュラル」「ウォッシュド」もわりと出てくる言葉です。これはコーヒーの「精製方法」のこと。収穫したコーヒーの実から豆を取り出すやり方の違いで、味わいにかなり影響があります。

ナチュラルは、実をそのまま天日で乾燥させてから豆を取り出す方法。果肉の甘みや発酵感が豆に移るので、ベリーやワインのようなちょっと個性的な味わいになりやすい。
ウォッシュドは、先に果肉を洗い流してから乾燥させる方法。雑味が少なくてクリーンな味になりやすく、豆そのものの個性がストレートに出る印象です。
「このナチュラル、すごくフルーティーだね」と相手が言ったら、「ナチュラルって果実味が出やすいんだよね」と返せたら、きっと相手はちょっとうれしそうな顔をするはず。
「シングルオリジン」と「ブレンド」

この二つも、よく出てくる言葉です。
シングルオリジンは、ひとつの産地や農園のコーヒー豆だけを使ったもの。その豆ならではの個性がはっきり味わえるのが魅力です。ブレンドは、複数の産地の豆を混ぜ合わせたもの。バランスのよさや、ひとつの豆だけでは出せない奥行きを楽しめます。
コーヒー好きの人は、シングルオリジンの話をすることが多いかもしれません。「この農園のゲイシャがね…」なんて、まるで推しの話をするように語り出したりします。
でもブレンドにはブレンドのよさがあります。
FUKUSUKE COFFEEの「SAKURAI BLEND」は、代表の三浦が焙煎大会で優勝したときのブレンドがもとになっています。スペシャルティコーヒーの入口となってくれるような味わいと、地元・桜井への想いを込めたブレンドコーヒーで、このような作り手のコンセプトや意図を楽しむことが醍醐味だと思っています。
「どのお店のブレンドが好き?」なんて聞いてみると、そこからまた話が広がったりしますよ。
コーヒーの味を言葉にするヒント

コーヒー好きの人は、味の感想を独特な言葉で表現することがあります。「フローラルだね」「ベリー系の酸味がある」「チョコレートっぽい余韻」。最初は「え、コーヒーなのに?」と思うかもしれません。
でもこれ、そんなに難しい話ではないんです。コーヒーには本来、苦みだけじゃなくて酸味や甘み、香りの複雑さがあります。それを「何に似ているか」で表現しているだけ。
もし相手が「これ、ブルーベリーっぽくない?」と聞いてきたら、正解を出す必要はありません。「うーん、たしかに甘酸っぱい感じがするかも」「わたしはなんとなく紅茶っぽいと思った」。そんなふうに自分なりの感想を素直に伝えるだけで大丈夫です。コーヒーの味の感じ方は人それぞれなので、「間違い」はないんです。
お店でお客様とお話ししていても、同じコーヒーなのに「りんごみたい」と言う方もいれば「はちみつっぽい」と言う方もいて。その違いが面白いなあと、いつも思います。
「スペシャルティコーヒー」という言葉

コーヒー好きの人と話していると、「スペシャルティコーヒー」という言葉が出てくることがあります。
これは、栽培から収穫、精製、焙煎、抽出まですべての工程で品質が管理された高品質なコーヒーのこと。専門の評価基準をクリアした豆だけが、この名前で呼ばれます。
スーパーで買えるコーヒーとの違いは、たとえるならテーブルワインとワイナリーのワインのような感覚。どちらがいい悪いではなく、楽しみ方が違います。
FUKUSUKE COFFEEはスペシャルティコーヒーの専門店で、産地や農園の個性を大切にした焙煎をしています。「コーヒーって、こんなに味が違うんだ」と驚かれるお客様も多くて、そのリアクションを見るたびに、この仕事をしていてよかったなと感じます。
全部覚えなくて、大丈夫です
ここまで読んで、「やっぱりちょっと情報が多いかも…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。でも繰り返しになりますが、全部覚える必要はまったくありません。
焙煎度は浅い方がフルーティーで、深い方が苦め。産地によって味が違う。ナチュラルとウォッシュドで風味が変わる。このくらいがぼんやり頭にあるだけで、コーヒー好きの人との会話はずいぶん変わります。
何より大切なのは、「へえ、そうなんだ」と興味を持って聞くこと。「それ、飲んでみたいな」と一歩踏み出してみること。コーヒーの知識は、一緒に飲んでいるうちに自然と増えていきます。焦らなくて大丈夫。
あの人と一緒にコーヒーを楽しむ時間が、少しでもやさしくあたたかいものになりますように。私たちFUKUSUKE COFFEEも、そんな時間のお手伝いができたらうれしいです。気になることがあれば、いつでも気軽に聞いてくださいね。
あなたのことも、教えてください
FUKUSUKE COFFEEの読み物は、私たちが一方的に「伝える」ためのものではなく、みなさんと一緒につくっていきたいと考えています。
・このコーヒー、どう選べばいい?
・プレゼントで失敗しないコツを知りたい
・浅煎りって、正直よくわからない
・こんな話、読んでみたい
・最近こんなことで悩んでいます
などなど、どんな小さなことでも大丈夫です。
ふと感じた疑問や、知りたいこと、悩んでいることを、そっと教えてください。
いただいたお声は、次の読みものや商品づくりのヒントとして、ひとつひとつ、大切に活かしていきます。

FUKUSUKE COFFEE ROASTERY 愛知県安城市から”福を届ける”コーヒーロースタリー

