Fukusuke Coffee

「もっと知りたい」と思ったときの次の一歩|コーヒーを深く楽しむ入口

パートナーがコーヒーを淹れている姿を見て、なんとなく一緒に飲むようになった。最初は正直、味の違いなんてよくわからなかった。でも最近、ふと思うことがある。「あれ、今日のコーヒー、いつもと違う気がする」って。

その感覚、すごく大事にしてほしいんです。

お店にいらっしゃるお客様の中にも、同じような方がけっこういらっしゃいます。「夫が好きで付き合いで飲んでたんですけど、最近なんか気になってきちゃって」とか、「彼女に連れられて来たんですけど、自分でも豆を選んでみたくなって一人できました」とか。

そういう話を聞くたびに、こちらまで嬉しくなります。


「勉強しなきゃ」なんて思わなくていい

「コーヒーのこと、ちゃんと勉強した方がいいですか」と聞かれることがあります。

正直に言うと、勉強なんてしなくていいと思っています。

だって、おいしいと思って飲んでいるうちに「あれ、なんで今日のはこんなに甘いんだろう」と不思議に思ったり、「前に飲んだものの方が好きだったな」と比べたりしますよね。それがもう、立派な一歩なんです。

「何も知らないのに来てすみません」とおっしゃる方がときどきいらっしゃるのですが、それを聞くたびに「いえいえ、知りたいって思って来てくださったんですよね。それだけで充分ですよ」とお伝えしています。

知識って、座学で詰め込むものじゃなくて、飲みながら自然と身についていくもの。パートナーに「これ、ちょっと酸味あるね」と言われて「ほんとだ」と思った瞬間。あれがもう、コーヒーの知識の始まりです。


飲み比べると、舌が目を覚ます

コーヒーに興味が出てきたお客様に、よくこんな提案をします。「今日、色んな種類を飲み比べてみませんか?」って。

FUKUSUKE COFFEEでは、販売しているコーヒーを店頭で試飲していただけます。常時10種類ほど並んでいるので、気になるものを2つ、3つと飲み比べてみてください。

「全部飲んでいいんですか」と驚かれることもあるんですが、もちろんです。むしろ、飲んでから選んでほしいと思っています。

たとえば浅煎りのエチオピアと、中深煎りのブラジル。この2つを並べて飲むと、面白いくらい違います。

エチオピアの方を一口含むと、なんていうか、紅茶みたいな軽さがあって、後からふわっとフルーツっぽい香りが鼻に抜ける。ブラジルの方は、口の中にチョコレートのようなコクがじわっと広がって、飲み込んだ後もやわらかい甘みが残る。

同じ「コーヒー」なのに、こんなに違うのかと驚く方がほとんどです。

ここで大事なのは、「どっちが正解か」じゃなくて、「自分はどっちが好きか」だけ。好きか、もっと好きか。コーヒーの楽しみ方って、つきつめるとそれだけなんですよね。

焙煎士の三浦がコーヒーの道に進んだのも、たった一杯の出会いがきっかけでした。岡崎のコーヒー店「豆蔵」で飲んだパナマのゲイシャ。あの日の衝撃を、本人は今でも鮮明に覚えているそうです。もちろん、いきなりゲイシャを飲む必要はないのですが、「いつもの一杯の隣に、もう一杯」を置いてみるだけで、感じ方がぐっと変わるのは確かです。


豆の袋に書いてある「産地」、見てみてください

飲み比べに慣れてきたら、豆のパッケージをちょっと眺めてみてください。「エチオピア」とか「ブラジル」とか「ケニア」とか、産地の名前が書いてあるはずです。

コーヒーって農作物なので、育った場所で味がまるで変わります。ワインの産地みたいなものですね。

ざっくりお伝えすると、エチオピアは華やかでお花やフルーツの香りがするものが多い。ブラジルはナッツやチョコレート系の、親しみやすい味わい。ケニアはベリーみたいなジューシーな酸味がぱっと弾けたり。

全部覚える必要なんてありません。「前に飲んだエチオピアがおいしかったから、今度もエチオピアにしてみよう」。それだけで十分です。逆に「ケニアって飲んだことないな、どんな味だろう」と手を伸ばしてみるのも面白い。

お店で「産地で選んでみたいんですけど、まだよくわからなくて…」と声をかけてくださる方がいます。

あの瞬間、本当に嬉しいんです。「じゃあ、今日はこの2つを飲み比べてみましょうか」と一緒に探す時間が、私たちにとっても楽しい時間なので。


お湯の温度を変えるだけで、同じ豆が別人になる

これ、おうちですぐ試せるので、ぜひやってみてほしいんです。

同じ豆を、85℃くらいのお湯と、92℃くらいのお湯で淹れてみる。たった7℃の差なのですが、飲み比べるとまるで違います。ぬるめの方はまろやかでやさしい。熱い方は酸味や苦味が輪郭をはっきり出してくる。

同じ豆なのに、別のコーヒーみたいに感じるはずです。

粉の量を少し増やしてみるとか、お湯を注ぐスピードをゆっくりにしてみるとか。そういう小さな変化でも、味は変わります。うまくいかなくても、それでいいんです。「あ、こうすると濃くなるんだ」という体験は、本を100ページ読むよりずっと自分の中に残ります。

パートナーと一緒に淹れているなら、「今日ちょっと温度変えてみない?」って相談してみてください。ふたりで飲んで「あ、なんかやわらかくなった気がする」「うん、こっちの方が好きかも」なんて話す時間って、なかなかいいものですよ。


感じたことを、なんとなく言葉にしてみる

コーヒーの袋やお店のメニューに「ベリー」「チョコレート」「柑橘系」なんて書いてあることがあります。フレーバーノートと呼ばれる、風味の特徴を表した言葉です。

「コーヒーなのにベリー?」と思いますよね。私も最初はそうでした。

でも、一口飲んで「なんか甘酸っぱい気がする」と感じたら、それがベリー系のフレーバーだったりする。答え合わせみたいで、ちょっと楽しいんです。

かっこいい表現ができなくても大丈夫。「あったかい感じ」「すっきりしてる」「なんか重たい」。それで十分です。自分の舌で感じたことを、自分の言葉にしてみる。それだけで、次の一杯の味わい方が変わってきます。

FUKUSUKE COFFEEのオンラインショップにも、各コーヒーの風味を書いています。

飲む前に読む派と、飲んでから答え合わせする派がいらっしゃるんですが、個人的にはどっちも楽しいと思っています。


コーヒー屋さんに「聞く」のが、いちばん早い

本やネットで調べるのもいいのですが、いちばん手っ取り早いのは、コーヒー屋さんで聞くことだと思います。

「初心者なんですけど」と前置きしてくださる方もいらっしゃるのですが、初心者かどうかは私たちまったく気にしていません。「知りたい」と思って声をかけてくださったこと自体が嬉しいんです。

「これ、どんな味ですか」。その一言だけで大丈夫です。

産地のこと、焙煎のこと、おうちでのおすすめの淹れ方。なんでも聞いてみてください。コーヒー屋さんって、聞かれるとつい話しすぎてしまう人種なので、むしろ止めていただいた方がいいくらいかもしれません。

先日も、「この豆、どうやって飲むのがおいしいですか」と聞いてくださったお客様が、翌週に「教えてもらった通りに淹れたら、すごくおいしくできました」と報告に来てくださって。ああいう瞬間のためにコーヒー屋をしてるんだなと、改めて思いました。


飲んだコーヒー、ひとことだけメモしてみる

最後にひとつだけ、おすすめしたいことがあります。

飲んだコーヒーの名前と、ひとこと感想をスマホにメモしてみてください。「エチオピア、明るい感じ、好き」くらいで十分です。

一ヶ月くらい続けると、自分の好みがなんとなく見えてきます。「あ、自分は華やかなコーヒーが好きなんだな」とか、「深煎りの方が落ち着くかも」とか。

パートナーとふたりで飲んでいるなら、「今月のコーヒー」を一緒に選ぶのも楽しいと思います。「先月のブラジルおいしかったから、今度は違う産地にしてみよう」なんて話しながら。

コーヒーの世界は広いです。産地、品種、精製方法、焙煎度、淹れ方。組み合わせはほぼ無限にある。

でも、全部知らなくていい。「もっと知りたい」と思ったその気持ちがあれば、あとは一杯ずつ、ゆっくりで大丈夫です。

FUKUSUKE COFFEEは、あなたの「もっと知りたい」にいつでもお付き合いします。気になることがあれば、お店でもオンラインでも、気軽に声をかけてくださいね。


あなたのことも、教えてください

FUKUSUKE COFFEEの読み物は、私たちが一方的に「伝える」ためのものではなく、みなさんと一緒につくっていきたいと考えています。

・このコーヒー、どう選べばいい?
・プレゼントで失敗しないコツを知りたい
・浅煎りって、正直よくわからない
・こんな話、読んでみたい
・最近こんなことで悩んでいます
などなど、どんな小さなことでも大丈夫です。

ふと感じた疑問や、知りたいこと、悩んでいることを、そっと教えてください。

いただいたお声は、次の読みものや商品づくりのヒントとして、ひとつひとつ、大切に活かしていきます。


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