誰かにもらったコーヒーが、思っていたよりずっとおいしかった。
そんな経験をしたことはありませんか。
ギフトで届いたコーヒーを飲んでみたら、いつものコーヒーとは全然違った。スーパーで買っていたものとは香りも味わいも別ものだった。飲み終わった後も、あのおいしさがなんとなく忘れられない。
「あのコーヒー、なんだか美味しかったな…」と思った瞬間が、コーヒーの世界への小さな入り口になります。
ただ、いざ買おうと思うと「どこで?何を?どのくらい?」と、わからないことだらけで足が止まってしまうかもしれません。
お店に行っても、ずらりと並んだ豆を前に何を選べばいいのか見当もつかない。オンラインショップを開いても、聞き慣れない産地の名前が並んでいて、どれが自分に合うのか判断がつかない。
でも、大丈夫です。最初から「正解」を見つける必要はありません。
この読みものでは、コーヒー豆を自分で買ったことがない方に向けて、最初の一袋にたどり着くまでの考え方をお伝えします。
「おいしかった記憶」が、一番たしかな手がかりになる

コーヒー豆を選ぶとき、焙煎度や産地の知識がないと不安に感じるかもしれません。でも実は、もらったコーヒーを飲んだときの「おいしかった」という感覚が、もっとも頼りになる情報です。
もし手元にパッケージが残っていたら、そこに書かれている内容をよく見てみてください。
産地の名前や焙煎度、ブレンドかシングルオリジンかといった情報が書かれているはずです。「エチオピア」「中煎り」「ブレンド」など、なんとなく目にしたことがある言葉が並んでいれば十分。次に選ぶときの手がかりになります。
パッケージを捨ててしまっていても、心配いりません。「あの味、なんて言えばいいかわからないけど、すごくよかった」でいいんです。お店のスタッフに「もらったコーヒーがおいしかったので、似たものを探しています」と伝えるだけで、きっと一緒に考えてくれます。
FUKUSUKE COFFEEでも、こうした相談はとても多いんです。私たちもよく「どんな味でした?」と聞き返すところから、お客様と一緒に豆を選んでいます。「なんか甘くてフルーツみたいだった」とか「苦くなくて飲みやすかった」とか、そのくらいの言葉で十分伝わります。
最初の一袋は「ブレンド」から選んでみる

コーヒー豆には、複数の産地の豆を組み合わせた「ブレンド」と、一つの産地や農園の豆だけで仕上げた「シングルオリジン」があります。
シングルオリジンは個性がはっきり出る分、好みが分かれることも。初めて自分で買うなら、まずはブレンドを選んでみてください。
ブレンドコーヒーの中でも、そのお店の名前を冠したブレンドは、そのお店が「この味を飲んでほしい」と思って設計した、いわばお店の顔のようなもの。飲みやすさと奥行きのバランスがとれていることが多く、最初の一杯として安心感があります。
FUKUSUKE COFFEEには3つのブレンドがあって、それぞれ味わいの方向性が違います。もらったコーヒーの記憶をたどりながら、「あの感じに近いのはどれだろう」と選んでみるのも楽しいかもしれません。
たとえば、まだ自分の好みがよくわからないという方には、FUKUSUKE BLENDを。中煎りで、酸味と苦味のちょうど真ん中あたり。ナッツやチョコレートのような風味があって、誰にとっても飲みやすいバランスに仕上がっています。「とにかく最初の一袋を」という方には、まずここから始めてみてほしいです。
もらったコーヒーが「フルーツっぽかった」「華やかな香りがした」という記憶がある方には、SAKURAI BLENDが近いかもしれません。中浅煎りで、チェリーやベリーのような果実感が特徴。三浦が焙煎大会で優勝したときのブレンドをもとにつくったもので、スペシャルティコーヒーらしい味わいの入り口になる一杯です。
逆に「苦めでどっしりした味が好きだった」「ミルクを入れてもおいしかった」という方には、TENJIN BLEND。深煎りで、ビターチョコレートのような苦味の奥にほのかな甘さがあります。仕事終わりの一杯や、カフェオレにしてもしっかりコーヒーの味が残るタイプです。
どれを選んでも、「思っていたのと違った」ということは起きにくいはず。そこから「もう少し酸味がほしいな」とか「次はもっと深い味を」と感じたら、別のブレンドやシングルオリジンに手を伸ばしてみる。そうやって少しずつ、自分の好みの輪郭が見えてきます。
量は「少なめ」から始めて大丈夫

「何グラム買えばいいですか?」という質問も、お店でよくいただきます。
コーヒー豆は生鮮食品に近いところがあって、焙煎してから少しずつ風味が変わっていきます。だから最初は、2週間くらいで飲み切れる量がちょうどいい。
目安としては、毎日1杯飲むなら150gあれば2週間ほど楽しめます。1杯あたりに使う豆は10gほどなので、150gで15杯分。週末だけ飲むという方なら、もう少し少なくても大丈夫です。
大量に買って「飲み切れなかったらどうしよう」と心配するより、少なめに買って「おいしいうちに飲み切れた」というくらいがちょうどいいと思います。気に入ったらまた買えばいいだけですから。
一番危険なのは、お得だからと言って、まとめて買ってしまうこと。
ついつい手が伸びてしまう気持ちもわかりますが、まずは自分が「本当にそのコーヒーを飲み続けられるのか」を確認してみましょう。
豆のまま買うか、粉にしてもらうか

コーヒー豆をお店で買うと、「豆のままにしますか?粉に挽きますか?」と聞かれることがあります。
コーヒーミル(豆を挽く道具)をお持ちでなければ、粉に挽いてもらってください。「ペーパードリップ用の中挽きで」というように用途を伝えれば、お店の方が適切に挽いてくれます。
もちろん豆のまま買って、自分で挽いてから淹れるのが香りを一番楽しめる方法です。
でも、最初から道具を全部揃える必要はありません。まずは粉の状態で買ってみて、「もっと香りを楽しみたいな」と思ったときにミルを検討する、という順番で十分です。
粉で買った場合は、豆のままより少し早く風味が落ち着いてくるので、できれば2週間〜1ヶ月くらいで飲み切るのがおすすめです。
どこで買う?お店選びの考え方

コーヒー豆はスーパーでもカフェチェーンでも買えますが、初めて自分で選ぶなら、自家焙煎のコーヒー専門店やオンラインの専門店をおすすめします。
理由はシンプルで、焙煎したてのものが手に入りやすいから。コーヒーの味わいは鮮度と深く関わっていて、焙煎日から2週間〜2ヶ月前後がもっとも風味が開くタイミングです。専門店では焙煎日が明記されていることが多いので、「いつ焼かれた豆なのか」がわかるだけで安心感が違います。
それと、専門店にはもう一つ大きなメリットがあります。わからないことを聞ける、ということ。
「もらったコーヒーがおいしかったので、初めて自分で買いにきました」
そう伝えてもらえたら、お店の人はきっと嬉しくなります。コーヒー屋さんをやっている人は、コーヒーの話をするのが好きな人がほとんどです。私たちもそうなんですが、お客様から「何を選んだらいいですか?」と聞かれると、つい話が長くなってしまうこともあります。
オンラインショップで買う場合は、商品ページに焙煎度や味わいの特徴が丁寧に書かれているお店を選ぶといいかもしれません。「中煎り、やわらかな甘さ、チョコレートのような余韻」といった説明があれば、味のイメージがつかみやすくなります。
味覚は人によって異なるので、一つのお店を深く知ることで、そのお店の基準が分かってより自分に合った味わいに出会う確率は高くなりますね。
「好みがわからない」は、自然なこと

ここまで読んで、「でもやっぱり、自分の好みがよくわからない」と思った方もいるかもしれません。
それは当たり前のことです。
コーヒーの好みは、飲んでいくうちに少しずつ見えてくるもの。最初から「私は中煎りのエチオピアが好き」なんて言える人は、ほとんどいません。
代表の三浦自身も、最初にコーヒーに惹かれたのは岡崎のお店で飲んだパナマ・ゲイシャがきっかけでした。あの一杯がなかったら、コーヒーの道には進んでいなかったかもしれない。
でも最初からゲイシャの何がすごいのかを言葉にできたわけではなくて、ただ「なんだこれは」という驚きがあっただけです。
好みは、経験の中から後からついてきます。まずは一袋、試してみること。飲んでみて「おいしかった」なのか「ちょっと違ったな」なのか。その感覚を覚えておくだけで、次に選ぶときの自分がずいぶん変わっています。
買ったら、ていねいに保存するだけ
コーヒー豆を買ったあとの保存は、難しく考えなくて大丈夫です。
密閉できる容器や袋に入れて、直射日光の当たらない場所に置いておく。それだけで十分です。冷蔵庫に入れる方もいますが、常温で保存して2週間くらいで飲み切るのが一番シンプルでおいしい方法です。
焙煎日から2ヶ月くらいまでは、味や香りの変化を楽しみながらおいしく飲めます。「飲み頃」は豆の種類にもよりますが、届いてすぐよりも数日〜2週間ほど経った頃の方が風味が開いてくることも多いです。
もっと詳しく知りたい方は、こちらの読みものをご覧くださいね。
自分で選んだ一杯は、ちょっと特別な味がする

もらったコーヒーがきっかけで「自分でも買ってみよう」と思えたなら、それはとても素敵なことです。
自分で選んで、自分で淹れて、自分で味わう。その一杯には、誰かに淹れてもらったコーヒーとはまた違う、ちょっとした達成感のようなものが混じっています。
うまくいかなくても大丈夫です。「思ってた味と違ったな」と思ったら、次は別の豆を試してみればいい。そうやって少しずつ、「自分のおいしい」が見つかっていく過程そのものが、コーヒーの楽しさなのだと思います。
FUKUSUKE COFFEEでも、最初の一袋を選ぶお手伝いをしています。お店でも、オンラインショップでも、迷ったときはいつでも声をかけてくださいね。
あなたの「おいしい」に出会える一杯が見つかりますように。
あなたのことも、教えてください
FUKUSUKE COFFEEの読み物は、私たちが一方的に「伝える」ためのものではなく、みなさんと一緒につくっていきたいと考えています。
・このコーヒー、どう選べばいい?
・プレゼントで失敗しないコツを知りたい
・浅煎りって、正直よくわからない
・こんな話、読んでみたい
・最近こんなことで悩んでいます
などなど、どんな小さなことでも大丈夫です。
ふと感じた疑問や、知りたいこと、悩んでいることを、そっと教えてください。
いただいたお声は、次の読みものや商品づくりのヒントとして、ひとつひとつ、大切に活かしていきます。

FUKUSUKE COFFEE ROASTERY 愛知県安城市から”福を届ける”コーヒーロースタリー


