Fukusuke Coffee

浅煎り・中煎り・深煎り|焙煎度で変わる味わいの世界

コーヒー豆を選ぶとき、「浅煎り」「中煎り」「深煎り」という言葉を目にしたことはありませんか?

「なんとなく違うのは分かるけど、実際どう違うの?」

そんなふうに思ったことがある方は、きっと少なくないのではないでしょうか。

実は、焙煎度の違いを知ることは、自分好みのコーヒーに出会うための大きなヒントになります。

この記事では、浅煎り・中煎り・深煎りの違いを、味わいの特徴や選び方のポイントとともに、やさしくご紹介します。

読み終えるころには、「自分はこの焙煎度が好きかもしれない」という発見がきっとあるはずです。


焙煎って、どんなこと?

まず、焙煎とは何かを簡単にお話しさせてください。

コーヒー豆は、もともと「生豆(なままめ)」と呼ばれる 薄い黄緑色の状態で生産国から届きます。

この生豆は、そのままでは青臭くて飲むことができません。

焙煎とは、この生豆に熱を加えて、私たちがよく知る茶色いコーヒー豆に仕上げる工程のこと。

熱を加えることで、豆の中ではさまざまな化学変化が起こり、コーヒーらしい香りや味わいが生まれていきます。

そして、この熱の加え方や時間によって、コーヒーの味わいは大きく変わります。

軽めの焼き具合だと「浅煎り」、しっかりと黒くなるまで焼いたものが「深煎り」、その中間が「中煎り」。

同じ豆を使っても、焙煎度が変われば、まるで別のコーヒーのように味わいが変化するのです。


焙煎度の基本:浅煎り・中煎り・深煎り

FUKUSUKE COFFEEでは、焙煎度を5段階で表記しています。

  • 浅煎り(Light)
  • 中浅煎り(Medium Light)、
  • 中煎り(Medium)
  • 中深煎り(Medium Dark)
  • 深煎り(Dark)の5つです。

ただ、まずは大きく3つの分類を理解しておくと、 豆選びがぐっと楽になります。

順番にご紹介していきますね。


浅煎り:フルーティで明るい酸味

浅煎りのコーヒー豆は、シナモンのような薄い茶褐色をしています。

表面はさらっとしていて、油分はほとんど出ていません。

手に取ると、深煎りの豆よりもずっしりと重く、ぎゅっと身が詰まった感じがします。

豆本来の個性が色濃く残っているのが特徴です。

味わいの特徴

浅煎りコーヒーの最大の特徴は、明るい酸味です。

「酸味」と聞くと、「酸っぱいコーヒーは苦手…」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、丁寧に焙煎された浅煎りコーヒーの酸味は、レモンやグレープフルーツのような爽やかさだったり、ベリーや白桃のような甘酸っぱさだったりします。

フルーツジュースのような華やかさ、と表現されることもあります。

苦味はほとんどなく、すっきりとした口当たり。

紅茶やフルーツティーのような感覚で楽しめるのも、浅煎りの魅力です。

こんな方におすすめ

浅煎りは、こんな方に向いています。

コーヒーの苦味が少し苦手だけど、コーヒーを楽しみたい方。

フルーティな味わいや、華やかな香りを楽しみたい方。

紅茶や緑茶が好きで、すっきりした飲み口がお好みの方。

ブラックでそのまま味わうと、豆本来の個性をより感じることができます。

浅煎りに向いている産地

近年は世界中の産地で品質が向上しているので、一概には言いにくいのですが、一般的な傾向として、エチオピアやケニアなど、フルーティな風味を持つ豆は浅煎りによく合います。

華やかな香りや、果実のような酸味が引き立ち、まるで産地を旅しているような気分になれるかもしれません。


中煎り:バランスの取れた親しみやすさ

中煎りの豆は、きれいな茶色。

多くの方がイメージする「コーヒー豆の色」に近いのが、この焙煎度です。

表面はまだマットな質感で、油分はほとんど見られません。

手に取ると、浅煎りよりは軽く、深煎りよりは重い。

ちょうど真ん中くらいの手触りです。

味わいの特徴

中煎りコーヒーの魅力は、酸味と苦味のバランスがちょうどよいところ。

浅煎りほどフルーティではなく、深煎りほど苦味が強くもない。

ほどよいコクと香ばしさがあり、コーヒーらしい味わいをしっかり感じられます。

ナッツのような香ばしさや、ほんのりとした甘みを感じることもあります。

日本で広く親しまれている焙煎度で、喫茶店やご家庭で出される一杯の多くは、この中煎りです。

こんな方におすすめ

中煎りは、特に「コーヒー初心者」の方におすすめです。

「どの焙煎度から試せばいいかわからない」

そう迷ったときは、まず中煎りから始めてみてください。

バランスが良いので、どなたにも飲みやすい味わいです。

中煎りを基準にして、「もう少し酸味がほしいな」と思えば浅煎りへ、「もう少しコクや苦味がほしいな」と思えば深煎りへ。

そんなふうに、自分の好みを探っていくのがおすすめです。

また、ブラックでもミルクを入れても楽しめるので、飲み方を選ばないのも中煎りのいいところです。

中煎りに向いている産地

コロンビアやグアテマラ、ブラジルなど、バランスの良い味わいを持つ豆は、中煎りで真価を発揮します。

豆本来の特徴を活かしながら、コーヒーらしい香ばしさも楽しめる仕上がりになります。


深煎り:コクと苦味の満足感

深煎りの豆は、濃い茶褐色から黒褐色。

表面に油分がにじみ出て、つやつやと光っているのが特徴です。

手に取ると、浅煎りよりもずいぶん軽く感じます。

焙煎が進むと豆の中の水分が抜け、カサは大きくなりますが、重さは軽くなるのです。

味わいの特徴

深煎りコーヒーといえば、しっかりとした苦味とコク。

「コーヒーといえばこの味」という方も多いのではないでしょうか。

酸味はほとんど感じられず、ビターチョコレートのような深い味わいが広がります。

香ばしさも際立ち、焙煎されたコーヒー独特の香りが部屋いっぱいに漂います。

また、焙煎が進むことで生まれる甘みもあります。

苦味の奥にある、カラメルのようなほのかな甘さ。

これが深煎りの奥深い魅力です。

こんな方におすすめ

深煎りは、こんな方におすすめです。

苦味のあるコーヒーが好きな方。

しっかりとしたコクと飲みごたえを求める方。

カフェオレやカプチーノなど、ミルクと合わせて楽しみたい方。

濃厚な味わいなので、ミルクを加えてもコーヒーの存在感が消えません。

カフェオレにすると、まろやかでリッチな一杯になります。

また、アイスコーヒーにも深煎りはぴったり。

氷で薄まっても、しっかりとした味わいが残ります。

深煎りに向いている産地

インドネシアのマンデリンや、ケニアの豆などは、深煎りにすると重厚な味わいに

ただ、深煎りは豆本来の個性よりも、焙煎による味わいが前面に出やすい傾向があります。

「コーヒーらしい味」を求める方には、安心感のある選択肢です。


味わいの違いが生まれる理由

なぜ、焙煎度によってこれほど味わいが変わるのでしょうか。

少しだけ、その仕組みをお話しさせてください。

コーヒー豆には、もともと糖分やアミノ酸、 クロロゲン酸といった成分が含まれています。

焙煎中、これらの成分が熱によって変化することで、酸味、苦味、甘み、香りが生まれます。

浅煎りでは、豆に含まれる糖分やフルーティな成分が多く残り、酸味が際立つ味わいになります。

一方、焙煎が進むと、糖分がカラメル化したり、メイラード反応という化学変化が進んだりして、苦味や香ばしさ、コクが増していきます。

深煎りになると、酸味の成分はほとんど分解され、代わりに深いコクと苦味が生まれるのです。

つまり、焙煎度とは「味の方向性」を決める大きな要素。

同じ豆でも、焙煎度を変えるだけで、 まったく違う表情を見せてくれます。


焙煎度と「甘さ」の関係

焙煎度の違いは、「甘さの質」にも影響します。

浅煎りの甘さは、フルーツのような明るい甘さ。

白桃やリンゴ、キャンディのような軽やかさがあります。

中煎りになると、カラメルやハチミツのような、少しとろみを感じる甘さに変化していきます。

深煎りでは、ビターチョコレートのような ほろ苦さを伴う甘さが現れます。

焙煎の世界では、この甘さの変化を 「キャンディ」から「チョコレート」への発達と表現することもあります。

同じ「甘い」でも、焙煎度によって表情が違う。

これも、コーヒーの奥深さのひとつですね。


焙煎度の選び方:自分の好みを見つけるヒント

「結局、自分はどの焙煎度を選べばいいの?」

そんな疑問にお答えするために、いくつかのヒントをご紹介しますね。

酸味と苦味、どちらが好きですか?

まず、シンプルにこう考えてみてください。

酸味のある味わいが好きなら、浅煎り。

苦味のある味わいが好きなら、深煎り。

どちらも楽しみたい、または迷っているなら、中煎り。

「酸味」と「苦味」は、焙煎度を選ぶときの 一番分かりやすい基準になります。

飲み方で選ぶ

どんなふうにコーヒーを飲むかも、選ぶヒントになります。

ブラックで味わいたいなら、浅煎りか中煎り。

豆本来の風味や、繊細な味わいを楽しめます。

ミルクを入れて飲むなら、中煎りか深煎り。

ミルクに負けない味わいの強さがあると、カフェオレやラテがおいしく仕上がります。

アイスコーヒーには、中深煎りから深煎りがおすすめ。

氷で薄まっても、しっかりした味わいが残ります。

時間帯や気分で選ぶ

同じ豆でなくても、時間帯や気分で焙煎度を変えて楽しむのも素敵です。

朝、すっきり目覚めたいときは浅煎りのフルーティな一杯を。

仕事の合間にひと息つきたいときは、バランスの良い中煎りでほっと一息。

夜、ゆったりとした時間を過ごしたいときは、深煎りの落ち着いた味わいを。

コーヒーは、その日の気分に寄り添ってくれる飲み物です。

「今日はどんな気分かな」と考えながら選ぶのも、コーヒーの楽しみ方のひとつですね。


焙煎度と食べ物の相性

コーヒーと一緒に楽しむ食べ物を考えるとき、 焙煎度との相性を意識すると、より豊かなひとときになります。

浅煎りに合うもの

フルーツや軽めのスイーツとの相性が抜群です。

柑橘系のタルト、ベリーのケーキ、さっぱりしたヨーグルトなど。

浅煎りの爽やかな酸味が、フルーツの甘酸っぱさと調和します。

和菓子との組み合わせも意外とおすすめ。

餡の甘さと、浅煎りのすっきりした味わいは、お互いを引き立て合います。

中煎りに合うもの

どんな食べ物にも合わせやすいのが中煎りの強み。

シンプルなトーストやサンドイッチ、焼き菓子、クッキー、マドレーヌなど。

食事の邪魔をせず、でもしっかり存在感のある一杯になります。

朝食のお供にも、おやつの時間にもぴったりです。

深煎りに合うもの

チョコレートや、クリームを使った濃厚なスイーツ。

チーズケーキ、ティラミス、ガトーショコラなど。

深煎りのしっかりした苦味とコクが、甘いものの濃厚さを受け止めてくれます。

スパイスの効いた料理との相性も良く、カレーの後の一杯にもおすすめです。


淹れ方のポイント

焙煎度によって、淹れ方を少し意識すると、よりおいしく楽しめます。

浅煎りを淹れるとき

浅煎りは、少し高めの温度のお湯(90〜93℃くらい)で しっかり成分を引き出すのがポイントです。

やや細かめに挽くと味わいが出やすくなります。

ただ、浅煎りは繊細なので、慣れるまでは少し練習が必要かもしれません。

お店で挽いてもらうのも、ひとつの方法です。

中煎りを淹れるとき

中煎りは、88〜90℃くらいの少し落ち着いたお湯で。

蒸らしの時間をしっかり取ると、バランスの良い味わいが引き出されます。

挽き目は中挽きが基本。

特別なテクニックがなくても、安定しておいしく淹れやすい焙煎度です。

深煎りを淹れるとき

深煎りは、少し低めの温度(85〜88℃くらい)がおすすめ。

高すぎる温度だと、苦味が強く出すぎることがあります。

豆が膨らみやすいので、蒸らしのときにぷっくりと膨らむ様子を眺めるのも楽しいものです。

やや粗めに挽いて、ゆっくり抽出すると、まろやかな味わいになります。


カフェインについて

「深煎りのほうがカフェインが多そう」

そう思われる方もいらっしゃいますが、 実は、豆1粒あたりのカフェイン量は、浅煎りと深煎りを比べてもあまり差がないんです。

カフェインは熱に弱く、焙煎が進むと少しずつ減っていくという定説がありますが、近年の研究ではカフェイン自体は焙煎の熱で大きく壊れにくいということが分かっているんです。

一方で、深煎りは焙煎中に豆が膨らんで体積が増え、重量は水分などが抜けて減ります。

なので「スプーン1杯」のように体積で量ると、密度の高い浅煎りのほうが同じ体積に入る豆の重さが多くなり、結果として浅煎りのほうがカフェインが少し多くなりがちということはあるようですね。

焙煎よりも実は抽出で差分があるという研究結果を見つけました。

同じ挽き目・同じ条件で淹れた場合、深煎りのほうが(平均的には)カフェイン濃度が低めに出る傾向が観測された一方で、抽出率を揃えて比較すると深煎りが高くなる場面もあり、「焙煎度そのもの」より「抽出率・条件」が強く効く、という結論に至ったようなんです。

なので、カフェインが心配な方は、カフェインを除去したデカフェ(カフェインレス)のコーヒーを選ぶことをおすすめしています。


自分だけの「好き」を見つける旅を

この読みものでは、焙煎度について、いろいろとお話ししてきました。

でも、結局のところ、「おいしい」と感じるコーヒーは人それぞれ違います。

酸味が苦手だと思っていた方が、良質な浅煎りを飲んで「これなら好き」と感じることも。

苦いコーヒーが好きだった方が、中煎りのバランスの良さに新しい発見をすることも。

「この焙煎度が正解」というものはありません。

大切なのは、 自分の舌で味わって、自分の「好き」を見つけること。

まずは気になる焙煎度から試してみて、少しずつ味わいの違いを楽しんでみてください。


迷ったときは

お店でよくいただくのは、こんなご相談です。

「浅煎りと深煎り、どちらから試したらいいですか?」

そんなときは、まず中煎りをおすすめしています。

バランスが良く、どなたにも飲みやすい。

そこから、酸味が欲しければ浅煎りへ、苦味が欲しければ深煎りへ。

そうやって、少しずつ自分の好みを探っていくと、コーヒー選びがどんどん楽しくなっていきます。

もちろん、お店に来ていただければ、お好みを聞きながら、ぴったりの一杯をご提案します。

コーヒー選びで迷ったときは、いつでもお気軽にご相談くださいね。


おわりに

焙煎度は、コーヒーの味わいを大きく左右する要素のひとつ。

浅煎りの華やかな酸味、中煎りの心地よいバランス、深煎りの深いコクと苦味。

それぞれに違った魅力があります。

知るほどに広がっていくコーヒーの世界。

焙煎度の違いを知ることは、その世界への入り口になってくれるはずです。

この記事が、あなたのコーヒー選びの 小さなヒントになれば嬉しく思います。

お気に入りの焙煎度が見つかりますように。

そして、その一杯が、あなたの日々に ほんの少しの「福」を届けられますように。

FUKUSUKE COFFEEは、そんな願いを込めて、今日もていねいにコーヒー豆を焙煎しています。


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FUKUSUKE COFFEEの読み物は、私たちが一方的に「伝える」ためのものではなく、みなさんと一緒につくっていきたいと考えています。

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