
カップに顔を近づけると、オレンジやりんごを思わせる甘い香りが、ふわりと上がってきます。
強く主張してくるタイプというよりは、そっと寄ってきて、気づいたら鼻の奥に広がっている。
そんな繊細な立ちのぼり方をします。
ひとくち含むと、最初にくるのは柑橘のやわらかな甘さがじんわりと。
酸味はとがったところがまるでなく、熟したりんごの果肉のような穏やかさで舌の上を通っていきます。
口あたりはとても軽く、するりと流れていく感覚です。
そして飲み込んだあとに残るのが、ハーブティーを口にしたときのような爽やかさ。
コーヒーを飲んだというより、香りのいいお茶をいただいたような余韻に近いかもしれません。
ベトナムのコーヒーと聞いて思い浮かべる味とは、たぶんずいぶん違うはずです。

このロット、実は生産者の山岡清威さんが自分のために作っているものなんです。
「自分が飲みたい味を作りたい」。
その一心で毎年仕込んでいるので、年ごとに味の個性が変わります。
今年は繊細で、それでいてフルーティーな甘さがしっかり乗った仕上がりでした。
しかも山岡さん、コーヒー栽培の知識がまったくないところから独学で始めた方なんですよ。
何百という精製を手探りで実験して、そのうえで辿り着いている味なんです。
アナエロビックウォッシュド自体は、いまや世界中の産地で作られています。
それでもこの一杯が特別なのは、山岡さんがベトナムに注いできた時間と愛情が、そのまま味に出ているからだと思っています。
まず一口目の、この繊細さを味わってみてほしいです。
当店のメンバーみんなで飲んだ時に返ってきた言葉も、だいたい「やさしい」「繊細」なんですよね。
山岡さんご本人が好きなコーヒーも、爽やかで繊細なウォッシュドなのだそうです。
ああ、これはご本人の感覚そのものだな、と思いながら焙煎しています。
作り手の方が、自分のために作ったコーヒーってなかなか出会えないので、貴重な体験になると思います。
ぜひ、山岡さんの大好きな味わいを一緒に楽しみましょう!

平日の朝は、どうしてもバタバタしてしまいますよね。
このコーヒーは、そういう慌ただしさから離れた時間に淹れていただきたいと思っています。
たとえば休日の朝。
まだ家の中が静かなうちに起きて、お湯を沸かして、豆を挽くところから始める。
それだけで、いつもと違う朝になります。
軽やかで爽やかな味わいなので、朝の体にすっと入っていきます。
重たさが残らないので、そのあとの一日を邪魔しません。
急いで飲むにはもったいない繊細さがあるので、カップを持ったまま少しぼんやりする時間まで含めて、楽しんでいただけたらうれしいです。
氷を入れてアイスにしても、柑橘の輪郭がくっきり立って気持ちのいい一杯になりますよ。
このコーヒーを作っている山岡清威さんは、いま、クホ族の生産者パットさんの家の敷地に住んでいます。

同じ敷地に焙煎機をはじめとした加工設備をそろえ、農園から目と鼻の先でコーヒーづくりに取り組んでいる方なんです。
精製というのは、発酵の進み具合を豆の見た目や水分の含有量から見極めながら進めていく作業のこと。

その判断を、毎日、生産者と顔を突き合わせながらできる距離にいる。
このロットの繊細さは、その距離の近さから生まれているのだと思っています。
山岡さんは、コーヒー栽培について何もわからないところから独学で勉強を始めた方です。
何百という精製を手探りで実験しながら、より良いコーヒーを目指し続けてきました。
そのなかでアナエロビックウォッシュドは、山岡さんご自身の好みを追いかけるためのロットです。
ちなみに山岡さんが好きなコーヒーは、ウォッシュドの、それも爽やかで繊細なタイプなのだそうです。
毎年味が変わるといっても、向かっている方向はいつも同じところにある。
今年の一杯を飲むと、そのことがよくわかります。
山岡さんがベトナムに移り住むまでの道のりにも、少し触れておきます。

岩手県で中学を出て自動車整備士として働き、21歳で上京。
都内の店で飲んだ一杯のフルーティーなコーヒーに驚いてこの世界に入り、2006年にご自身の店を開業しました。
初めてベトナムを訪れたのが2009年。
2012年からの1年はバイクでベトナム全土を縦断し、2016年にはホーチミンに焙煎した豆を売る店を構えています。
そのころ産地であるダラット周辺の農園を訪ね歩くうちに、山岡さんは危機感を抱くようになりました。
ベトナムは生産量でブラジルに次ぐ世界2位のコーヒー大国でありながら、加工の技術を持たない農家は生豆のまま売るほかなく、十分な収入を得られていない。
「店でおいしいコーヒーを提供しているだけではダメだ」と考えて、生産そのものに関わる道を探しはじめます。
そこで出会ったのがパットさんでした。
値切ることをせずフェアな取引を重ね、いまではクホ族の人たちと暮らしをともにしながら、コミュニティ全体に関わっています。
プロジェクトが始まる前の農家さんは、生活が成り立たないほどの状況だったものが、劇的に改善されたとご本人から伺いました。
2023年7月には、彼らのマイクロロットがアラビカ・ロブスタともにQ鑑定85点を超えています。
この取り組みは、日本のコーヒー業界でも少しずつ知られるようになってきました。
業界誌「STANDART」では17号でランビアンと山岡さんの特集が組まれ、25号ではプロジェクトの豆が付録豆に採用されたりと、日本のスペシャルティコーヒー業界でも知名度がどんどんと上がってきているんです。
なお、プロジェクトのロゴが桜の花なのは、ランビアンの街に桜が自生して咲いていることが由来です。

FUKUSUKE COFFEEに届くまでの道筋も、できるかぎり間を挟まない形になっています。
Langbiang Coffee Projectから、愛知県で1751年創業の繊維専門商社であるタキヒヨー株式会社のダイレクトトレードを経て、私たちロースターへ。
出会いのきっかけは2024年のはじめ、常滑焼の珈琲急須を手がけるヤマキイカイ様からのご紹介でした。
その後3社でカフェレスジャパンに出店し、来日された山岡さんと直接お会いしています。

2025年のSCAJでは久しぶりに再会し、パットさんご本人にもご挨拶することができました。

この豆は、浅煎りに仕上げました。
繊細な風味を持つコーヒーなので、その持ち味をそのまま届けることを最優先にしています。

気をつけたのは前半の熱の入れ方です。
粒が大きいので内部までしっかり熱を届ける必要がある一方、発酵由来の成分で焦げやすい。
焦がしてしまえば、この繊細さは残りません。
慎重に熱を運びながら、柑橘とハーブの輪郭が最後まで残る一杯を目指しました。

まだ飲んだことのない産地のコーヒーを開拓してみたい、という方にまずおすすめしたいです。
フルーティーな酸味のあるコーヒーがお好きな方、日常の一杯とは少し違う特別感を求めていらっしゃる方にも、きっと気に入っていただけると思います。
産地や品種、精製方法まで意識して選んでいらっしゃる中級者から上級者の方には、アナエロビックウォッシュドという精製がもたらす個性を存分に楽しんでいただけるはずです。
逆に、しっかりした苦味やコクを求めていらっしゃる方には、少し物足りなく感じられるかもしれません。
軽やかで繊細な一杯を探している、という方に手に取っていただきたいコーヒーです。
同じランビアンのコーヒーに、Aerobic Natural の深煎りもご用意しています。
ウイスキーのような芳醇な香りとカカオの苦甘さという、こちらとは正反対の一杯です。
畑も生産者も同じで、違うのは精製と焙煎だけ。
それでここまで味わいが変わるのかと、飲み比べていただくとおもしろいと思いますよ。
このコーヒーで注目していただきたいのは、柑橘の甘さと、ハーブティーのような爽やかな風味です。
一口目だけで判断せず、少し冷めていく過程まで追っていただくと、味わいの表情が変わっていくのがわかると思います。
ペアリングでぜひ試していただきたいのが、アップルパイです。

柑橘やりんごの風味、それから少し乳酸系の香りが、アップルパイの同じ系統の味と重なって相乗効果を生んでくれます。
さらにハーブ系の香りが、パイ生地の小麦の香ばしさを引き立ててくれるんです。
爽やかなコーヒーなので、少し特別な朝の一杯として合わせていただきたい組み合わせです。
飲んだ方に「これ、どこの豆?」と聞かれる。
そこから山岡さんとクホ族の話が始まる。
そんなふうに、一杯のコーヒーが誰かとの会話や小さな福につながっていったら、こんなにうれしいことはありません。
商品名: Vietnam Langbiang Anaerobic Washed
内容量: 150g
価格: ¥2,980(税・送料込)
原産国: ベトナム 南部ダラット地区 ランビアン山周辺(Langbiang Coffee Project)
品種: Catimor
標高: 1,600m
精製方法: アナエロビックウォッシュド(Anaerobic Washed)
焙煎度: 浅煎り(Light)
保存方法: 高温多湿を避け、冷暗所で保存してください
賞味期限: 焙煎日より4ヶ月(開封後はお早めにお召し上がりください)
発送: 入金確認後3営業日以内でメール便にて発送いたします。
※お届け日はご指定いただきかねます。
※焙煎日より10日以内の商品を発送します

FUKUSUKE COFFEEでは焙煎大会で日本一*となった焙煎士がコーヒー豆本来の魅力を最大限に引き出します。
国際的なコーヒー豆鑑定士の資格「Qグレーダー」を保有し、コーヒー豆の個性を見極め、その魅力を最大限に引き出せるよう、味わい作りに努めています。
毎回の焙煎でデータを記録し、カッピングで味を確認し、論理と感覚を組み合わせて、日々品質の向上に取り組んでいます。
※ 全国焙煎大会日本一とは「1st Crack Coffee Challenge」2022と2025の優勝実績のことです。
・クレジットカード決済(VISA, Mastercard, JCB, American Express, Diners Club)
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※北海道、沖縄、離島への配送は¥1,200の追加送料をいただいております。
※いずれの場合も配送日の指定はできかねますので、あらかじめご了承くださいませ。
「初めてご注文いただく方からよくいただくご質問をまとめました」
コーヒー豆は挽いた状態で購入できますか?
もちろん、挽いた状態でもお届けしています。
ご注文時に「粗挽き」「中挽き」「細挽き」からお選びください。
挽き目の参考としては、中挽きはハンドドリップやフレンチプレスなど幅広い用途でお使いいただけます。
細挽きはエスプレッソや水出しコーヒーでお楽しみいただきたい方に。
粗挽きは、特別こだわりのある方にお選びいただければと思います。
なお、豆のままでお買い求めいただく際は、ご自身でコーヒー豆を粉に挽いていただく必要がございますので、コーヒーミルをお持ちの場合にお選びください。
コーヒー豆の焙煎日はいつですか?鮮度はどうなっていますか?
出荷時点で焙煎日より10日以内の商品を発送することをお約束いたします。
お届けする商品パッケージの表面に焙煎日を記載していますのでそちらでご確認いただけます。
なお、焙煎日のご指定はお受け出来かねますので、何卒ご了承くださいませ。
賞味期限はどのくらいですか?
焙煎日より1ヶ月を目安にお楽しみいただくことをおすすめいたします。
コーヒー豆は生きているようなもので、日々風味が変化していきます。
豆の種類にもよりますが、焙煎日から2週間前後に味や香りが最も開くことが多いです。
ただ、そんなに慎重になる必要はなく、焙煎日から3ヶ月以内であれば、味わいの変化をお楽しみいただきながら美味しく飲み切っていただけるかと思います。
どのように保存するのが良いですか?
高温多湿を避け、光の当たらない涼しい場所(28度以下が目安)で保管してください。
開封後は、酸素や湿気から守るため、購入時の袋でしっかりとチャックを占めて保存いただければOKです。
冷蔵庫に保存する場合は、匂いうつりに気をつけ、冷凍する場合は使用する分量ごとに小分けにして保存して、使う分だけ解凍して使用してくださいね
何グラムを選べばいいか分かりません。
150gのコーヒー豆で、一杯10gで淹れると約15杯分のコーヒーをお楽しみいただけます。
濃いめがお好みの方は12gほど使われる方もいらっしゃいますので、その場合は12〜13杯ほどになります。
毎日1杯飲まれるなら、約2週間。週末だけのおたのしみにされるなら、もう少し長く楽しめますね。
毎日2杯以上飲まれたり、家族みんなで楽しまれる方は500g〜1kgなど大容量がお得に購入できておすすめです。
ギフトとして贈ることはできますか?
コーヒー豆ギフトを別途ご用意しております。
コーヒー豆ギフトのページよりギフト用の商品をお選びください。
ギフト用の商品は、ラッピングサービスや熨斗、メッセージカード等のオプションもお選びいただけます。
コーヒー好きの方はもちろん、これから素敵なコーヒータイムを始める方へのプレゼントにもぴったりです。